お引渡し、子離れ。

Coooooo2010-08-22

営業時代から、延々と、かれこれ、1年半くらい。
食堂の前でビラを配っていたら、話しかけてくれたお客様。


わたしが営業でなくなって、設計になってほやほやなのを分かってて、
「あなた方の可能性に期待したいと思います」と、
うれしい、けど、ものすごいプレッシャーな言葉で始めたいえづくり。


3階の和室は茶室にしたくて、水屋も作りたい。
建具は全部オーダーメイドで、展開図と詳細図書いて、
最後にはお茶のお道具屋さんに連れて行ってもらって、
全部細かく打ち合わせして。


建築関連法規の改正で、ものすごく大変だった申請も、
思うように進まないことがたくさんあって、
分からないながらとりあえずぐるぐる動いて、
最後の最後もエレベーター屋さんと代々木を走ったけれど。


汗かいた分、手を動かした分、愛着がどんどん沸いていく。


複合用途だし、規模もそこそこ大きくて、
これは1年目でやるような計画ではなくて、
それでも周りの人にもたくさん協力してもらって、
上司にも、引き継いでくれた営業にも、
積算さんにも、施工さんにも、職人さんにも、
ほんと、たくさん迷惑かけた、頭が上がらない。


あなた、明日、泣くんだろうなー。
だって、ご主人も今日、ちょっと泣きそうだったもんな。
前の夜、営業にそういわれていたのが、ずばり、的中。
最後だ、と思うと、思わず涙ぐんでしまって、
道路の反対側で鼻水すすってみる。
大変だった気持ちがわっとあふれる。
ご迷惑おかけしました、と、本当にありがとうございます。
その2つをいろんな人に対して伝えたい。


もう、外壁抱きしめたいくらい。
工事が永遠、続いて欲しいくらい。
まだまだ現場に通いたい。
ありがとう、ありがとう。


お引渡しが終わって、お客様がパタンと玄関ドアを閉めたとき、
ものすごい、寂しかった。
遊びに来てくださいね、と言われたけれど、
なんだか不思議な感じだった。
我が子を手放す時、そんな瞬間。