完読。

ずっとずっと途中で止まってた。
ので、ちょっと拾って読んでみた。
最初から。


博士の愛した数式

博士の愛した数式


主人公と同じで、中の数式なんて分からない。
オイラーとか、そういえばやったなー。
でも何のためにやるんだけ?
てなレベル。
でもその中にワクワクする事実が隠れてる。
それを博士が教えてくれると、なぜか笑顔になってしまう。


博士がすごく愛おしいのも主人公と一緒。
記憶が80分しか持たないという痛さ。
けど、ルートのことは何の疑問もなく毎回受け入れる姿。
実にチャーミング。
博士の姿を想像すると、どうしてもサンタさんみたいなのが浮かぶ。
サスペンダーでチノパンはいて、ネルシャツで。
あれだけいつでもスーツ着てるって書いてあるのに。
優しいおじいさんのイメージが浮かんだ。


不思議で、非日常だけれど、とても幸福な毎日。
そこにいたいのは私も一緒。
電車の中でも教室でも。
でも、残りページはどんどん少なくなる。


博士の記憶が狂い始める。
0の話をする。
主人公が過去形を強調し始める。
博士の過去が、寂しく脚色される。
時間設定がどんどん早くなっていく。


で、結局学校の食堂という、大衆の前で最後を迎えてしまった。
なので思う存分泣くことはできず。。


ちなみに、私のほめられる読書感想文には1つのルールがある。
それは結びが必ず登場人物と友達になりたい、というものだ。
この本を読み終えての感想は、自分も博士の友達になりたいであった。
と、いうことは。
今までの先生受けする読書感想文は、選んだ本がよかったのだ。
だから自分の興味あるところをマニアックに論じることが出来た。
深い感情表現を書き記すことが出来た。
そういう物語に出会えたこと。
ヨカッタ。



  つけたし。
  映画化されて、東京国際映画祭で上演される。
  「私」は深津絵里(あまり不幸せなイメージがないので、想像できない)。
  「博士」は寺尾聰(これならサンタのイメージがなくなってすっきり)。
  どうなるんだろう。
  気になる。。